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太郎は、太郎のすべての財産を正男に譲り他の2人には一切の財産を引き継がせたくないと考えた場合、遺言書に「すべての遺産を正男に譲る」と書いていれば太郎が亡くなった後は、正男が太郎のすべての財産を引き継ぐことになります。
しかしすでに説明したとおり、遺言書によっても遺留分を請求できる相続人の一定の取り分(遺留分)は侵害できないので、この2人は正男に対し「僕らの取り分(遺留分)をちょうだい」と請求することができます。請求することができるのですから、正二と正三は自分たちの取り分(遺留分)を請求しないこともできます。
残念ながら遺言書だけでは太郎の意思は実現できない場合もあることになりますが、ある手続きをすると、この相続人の一定の取り分(遺留分)もこの2人は正男に請求することができなくなります。これが「遺留分の放棄」といわれる手続きです。
遺留分の放棄は、遺留分を放棄させたいと思っている人(このケースでは太郎)が生きている間に、遺留分を請求できる相続人(このケースでは正二と正三)が、家庭裁判所に「遺留分の放棄の申立て」をして裁判所の許可を得た場合に認められます。
遺留分の放棄の申立てについて、家庭裁判所は 本当なら遺留分を請求できる相続人の ?@放棄の意思?A放棄の理由の合理性や必要性?B代償性(放棄する代わりに何か別な物をもらっているか、またはすでに遺留分に相当する財産を受けとっているのか)を慎重に判断して、遺留分を放棄させることが正二と三郎にとってふさわしいのかどうかを判断します。